一般社団法人 一次産業事業承継協会

事業承継とは

事業承継とは

事業承継とは、現経営者が次世代の経営者に企業の経営権や資産、経営理念などを引き継ぐことを指します。

近年、経営者の高齢化が進んでおり、2023年時点での経営者の平均年齢は60.5歳となり、過去最高を更新しました。このまま後継者問題が解決されない場合、廃業の増加とともに貴重な雇用や技術が失われる恐れがあります。

中小企業の経営を維持し、発展させるためには、次世代の経営者への事業承継が欠かせません。

事業承継で引き継がれる要素

事業承継では、経営権、資産、知的財産の3つの重要な要素を後継者に引き継ぐ必要があります。

それぞれの概要を見ていきましょう。

経営権の承継

経営権の承継とは、代表取締役の地位とその役割を後継者に引き継ぐことを指します。

中小企業では、ノウハウや取引先などの人脈が経営者個人に集中していることが多く、業績や円滑な運営は経営者の資質に大きく依存しています。事業承継を成功させるためには、早い段階で後継者候補を選定し、十分な時間をかけて育成を行うことが重要です。

経営権を引き継ぐ際には、後継者を代表取締役として選任し、その後、役員変更登記などの手続きを行う必要があります。

資産の承継

事業承継では、企業の事業運営に必要な資産を後継者に引き継ぐことが求められます。

具体的には、株式、設備、不動産などの事業用資産や、運転資金、借入金などの資金が挙げられます。これらの資産を承継する際には、契約書の作成や税金の申告といった手続きが必要です。

資産の承継には高額な税金が課される場合があるため、専門家と相談しながら慎重に進めることが大切です。

知的資産の承継

事業承継の対象には、形のない知的財産も含まれます。

知的財産は「無形資産」にあたり、具体的には以下のようなものが挙げられます。

  1. 経営理念
  2. 従業員の技術や技能
  3. ノウハウ
  4. 経営者の信用
  5. 取引先との人脈
  6. 顧客情報

知的資産を十分に引き継げない場合、事業承継によって会社の業績が低迷する可能性があります。そのため、知的資産は円滑な運営や業績に大きな影響を与える重要な資産と言えるでしょう。

事業承継の種類とは

事業承継は、引き継ぐ先によって以下の3つに分類されます。

  • 親族内承継
  • 従業員承継
  • MA(社外への引継ぎ)

それぞれにメリットとデメリットがあるため、十分に比較し、慎重に選定することが重要です。

親族内承継

親族内承継では、現経営者の子どもをはじめとした親族に事業を引き継ぎます。

  1. 心情的な面に配慮しやすく、長期間の準備期間を確保できる点です。また、相続を通じて財産や株式を後継者に移転できるため、所有と経営を一体的に引き継ぐことが期待できます。
従業員承継

従業員承継は、親族以外の従業員に事業を引き継ぎます。

  1. 経営者としての能力を持つ人材を見極めて事業を引き継ぐことができます。
  2. 長期間働いてきた従業員であれば、経営方針の一貫性を保ちながら事業運営することが期待できます。
M&A(社外への引継ぎ)

社外の第三者(企業や創業希望者等)へ株式譲渡や事業譲渡により引き継ぎます。

  1. 親族や社内に適任者がいない場合でも、広く外部の候補者を募ることができます。
  2. 現経営者は、会社売却によって利益を得ることができます。
事業承継図

出典:中小企業庁ウェブサイト(事業承継を知る より)